口臭バイブル/口臭に悩む方のための情報館

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口臭とおならの深い関係

口臭は、口の中の臭いと「息(呼気)」の臭いが混ざったものです。
なかでも「ハー」と息を吐いたとき、後半に出てくる呼気の臭い(呼気性臭気)は、血液中のガスが肺でガス交換された結果あらわれる臭気です。血液には全身の臓器からの代謝産物が含まれており、特に腸内ガスの影響を強く受けます。

たとえば、にんにくを食べたりアルコールを飲んだあとに息が臭うのは、その成分が代謝を経て血液を通じて肺に運ばれるためです。
同じように、腸内ガス(おなら)の約15%は腸から吸収され、肺でガス交換されて息として出ることが報告されています。
つまり、腸内で異常な発酵が起こると、口臭─特に呼気性臭気─に反映されるのです。

民族によって生理的な口臭の傾向が異なるのも、食性の違いによる腸内環境の差が関係しています。
また、空腹時に誰でも感じる「空腹時口臭」も、消化管の働きが影響している証拠です。口は消化器の入り口であり、胃や腸と連携して活動する“消化器の一部”なのです。

「おなら」は健康のバロメータ

おならも実はとても重要な体のサインです。
手術後に「おならが出たら食事を再開できる」と言われるのは、腸の動きが正常に戻った証だからです。
獣医学でも同様に、おならは消化器の健康状態を示す重要な指標とされています。最近では、おならの成分分析から病気を早期発見しようという研究も進んでいます。

おならの約60〜70%は、実は口から飲み込んだ空気。
腸内細菌が作るガスは30〜40%程度です。
1日あたり1〜2リットル、5〜20回ほど排出するといわれています。

ストレスや緊張が続くと空気を多く飲み込みやすくなり、おならの量が増えることもあります。
また、炭酸飲料を多く飲む人や、乳糖を多く含む牛乳をよく飲む人は、大腸菌が乳糖を分解して水素ガスを発生させるため、おならが増える傾向にあります。

おならのニオイと食生活

おならのにおいは「食性」に左右されます。
肉や卵、ニンニクなど、硫黄や窒素を多く含む食材を常食すると臭いが強くなります。
牛や馬などの草食動物のおならがほとんど無臭なのに対し、ライオンなどの肉食獣のおならは強烈な悪臭なのもそのためです。
人間も同じく、肉中心の食事ではおならが臭くなります。

改善のためのポイント

  • 規則正しい食生活を心がける

  • 食事中は口を閉じて、よく噛んで食べる(空気を飲み込まない)

  • 肉中心の食事を控え、野菜や発酵食品を取り入れる

  • 炭酸飲料・牛乳を摂りすぎない

  • 毎日一定の排便習慣をつける

  • ストレスを溜めすぎない

腸内環境を整えることは、口臭ケアにもつながります。
「おなら」と「口臭」は、どちらも体の“中”の状態を映す鏡。
消化器全体の健康を意識することが、口臭対策の第一歩です。